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NSXとは、ホンダの技術を結集して作り上げた最上級ミッドシップスポーツカー。
1990年にデビューした初代(NA型)は、軽量なオールアルミ製モノコックボディを量産車として世界初採用。
ミッドに搭載され後輪を駆動するエンジンは3リッターV6DOHC−VTECで、NAながら自主規制いっぱいの280psを発揮。
開発にはアイルトン・セナをはじめとするF1ドライバーも関与し、世界第一級の運動性能を実現。それでいて当初よりエアコン、パワステ、ATをラインナップ。日本車ならではの信頼性とABSやTCSなど当時の最先端技術を満載し、お買い物からサーキット走行までこなす柔軟性も実現。スーパーカーとしての刺激こそ希薄であったが、自動車としての完成度の高さは世界中のスポーツカーメーカーに大きな影響を与えた。
また、ホンダ自身のその後の車づくりにも大幅な進歩をもたらした。
90年のデビュー後、走りと軽量化を極めた92年のタイプR、オープンルーフで新たな魅力を追加した95年のタイプT(タルガトップ)、97年の3.2リッター&6MT化、01年にはヘッドライトを格納式から固定式に変更し空力の改善と併せてデザインをリフレッシュ。
05年に生産中止となったが、それまで年々改良が続けられ、15年にわたって第一級の価値を保ち続けた。優れた基本設計のたまものである。
車輌形式は3リッターモデルが「NA1」、3.2リッターモデルが「NA2」となり、車名は、「N」ニュー、「S」スポーツカー、「X」未知・未来を意味する。
そして、2016年、待望の二代目(NC1型)がデビュー。リアミッドシップの2シータースポーツというパッケージは踏襲しつつ、ボディはアルミやカーボンファイバーなどを適材適所に用いた複合素材のスペースフレーム構造に進化。なにより、スポーツハイブリッドSH−AWDというハイブリッド機構を搭載し、新世代のAWDスポーツとしてデビュー。
縦置3.5リッターV6DOHCツインターボエンジン(507ps)と共に9速DCTを通して後輪を駆動する電気モーター(48ps)と、前輪左右それぞれを駆動する2つの電気モーター(37ps×2)により、システム出力は581psに到達。特に、前輪のトルクベクタリング機能による異次元のハンドリングは新世代のスポーツカー体験を提供する。
ちなみに二代目の車名は、新時代のスーパースポーツ体験「New Sports eXperience(ニュー・スポーツ・エクスペリエンス)という意味に改められている。
なお、初代と二代目の間には、5リッターV10エンジンを搭載するFRベースのAWDモデルが開発されていたが、リーマンショックによる世界経済の悪化により発売目前で急遽開発中止に。この幻の二代目はHSV−010という名でスーパーGT(GT500クラス)に参戦。2010年〜2013年のホンダの旗艦として活躍した。
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