「ハイドロニューマチック」
hydro pneumatic

ハイドロニューマチックとは、１９５４年にデビューした、シトロエンの代名詞とも言える独自のサスペンションシステム。

構造的には窒素ガスとオイルを用いたもので、窒素ガスがスプリングの役割を果たすことでソフトで滑らかな乗り心地を実現するとともに、エンジン駆動のポンプで圧力のかけられたオイルによって、乗車人数や積載量に関係なく車高を一定に保持する。

車高を一定に保つことで車体姿勢の変化による操縦性の影響が最小限にとどめられ、ヘッドライトの光軸も一定に保たれるなど、高い安全性を確保する。また、車高を任意に変えられるため、悪路走行時にも威力を発揮する。

ハイドロニューマチックの油圧回路は、ブレーキシステムやパワーステアリングにも使用され、強力で安定したブレーキ性能や高度なステアリングアシストをも実現した。

ただし、このシステムはオイル漏れ等のトラブルも多く、まさにシトロエンのアキレス腱といえる存在でもあった。

そして１９８９年、３０年以上にわたりシトロエンを支えてきたこのシステムは、電子制御という魔法を手に入れ「ハイドラクティブ」に正常進化を果たした。

関連　シトロエン、サスペンション、ハイドラクティブ、アキュムレーター、光軸（こうじく）

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